story of kapiw-apappo

【ストーリー】

 北海道阿寒湖コタン生まれのアイヌの姉妹の2011年の物語。
幼い頃から阿寒湖コタンで伝統の唄や踊りを学んできたふたりだったが、
長らく東京と北海道に離れて暮らす。
東日本大震災をきっかけに。姉は子どもを連れて阿寒湖に避難することになる。
そこでふたりを待っていたのは、初めてのデュオライブの企画だった…。

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<絵美・kapiw>
東京高尾で暮らす絵美(kapiw)は3人の子どもを育てながら、
ときにはアイヌ関連のイベントで歌やムックリを披露する日々を送る。
地元の音楽家・カイヌマとのユニット【riwkakant】のCD発表から数年が経ち、
最近では音楽活動の先が見えなくなっていた。
慌ただしい生活の中、絵美の頭をよぎるのは故郷・阿寒湖の景色だった。

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<カイヌマ>
『歌ってる瞬間にしかアイヌ民族っていないんだよ。
だって日常生活にアイヌ語使ってるわけじゃないでしょ?』
絵美の音楽上のパートナー・カイヌマの、アイヌヘイトまがいの発言。
アイヌの歌い手・絵美をプロモートしてきたはずの彼にしていったい何故? 
その裏には音楽活動から得たアイヌに対する複雑な思いがあったのだった…。

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<富貴子・apappo>
 一方、阿寒湖アイヌコタンでアイヌ料理店を営む富貴子(apappo)は
観光地の暮らしに追われ、日々披露する歌や演奏・踊りはいつしか
【生活の手段】となっていた。
春となれば山に山菜を採り、草木染め、刺繍などのアイヌ文化を学ぶコタンの日常。
コタンに根を下ろし伝統を受け継ぐことに誇りをもつ富貴子だが、
姉の活躍ぶりが眩しくもあった。

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<東日本大震災>
幼い頃から共に伝統の唄や踊りを学んできた2人だったが、
大人になってからは一緒にステージに立つことはなかった。
絵美はウポポ(アイヌの唄)の歌い手として、世間で徐々に注目されてきている。
富貴子もコタンの中では中堅となっており、2人の共演を望む声もあった。
その機も熟しつつある頃、東日本大震災、福島原発の事故が起こる――。
子どもの避難を巡って揺れる絵美の家族。姉一家を気遣う富貴子。
夏休み、絵美は子どもを連れて阿寒湖に避難のための里帰りをすることになる。
再会を喜ぶ姉妹だが、そこではふたりのデュオライブの企画が立ちあがっていた…。

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<カモメと福寿草>
ふたりのユニットはそれぞれのニックネームをとって
【Kapiw & Apappo】(カピウ&アパッポ)と名付けられた。
夏の観光地での暮らしに忙殺され、歌合わせすらままならない日々が過ぎていく。
そんななかで徐々に富貴子は追い詰められ、周囲に対して刺々しい態度をとってしまう。
プレッシャーに晒され、ふだん仲の良いふたりの確執があらわなっていく。
そんなある夜、ふたりは激しい口論となる。

「フッキ(富貴子)にとって歌ってなに?なんで歌ってんの?」                                                                                                                                                       
「仕事だから」                                                                                                                                                       
「あたしはフッキと歌うとき、仕事は関係ない!」

翌日、ふたりは思い出の場所で、素直な気持ちを吐露し改めて心を通わせる。
心機一転、仕事の合間を塗ってリハーサルを始めるが、本番は5日後に迫っていた…。
仲良しのふたりが時に喧嘩し、反目しながらも支えあい、初めてのライブを成功させることができるのか…。
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